VANGELIS / HEAVEN AND HELL
ヴァンゲリス / 天国と地獄
BVCP-7371
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私がVANGELISの音楽というものに出会ってからもう何年になるのでしょう。当時私はたしか高校生だったと思います。TVでCOSMOSという宇宙ものの特番(あのカールセーガンが解説だった)があって、その時のBGMやテーマとしてシンセサイザーのきれいな曲が使われていました。 |
しかしその時はそれが誰の曲なのかまったくわかりませんでした(その番組の為に作られたものではないようでした)。ところが、その番組の再放送があったとき最終回で視聴者から「あの曲は誰のなんという曲ですか?」という投書への回答があったのです。その時にヴァンゲリスという名前を知り、後日そのレコードを探しに秋葉原へ行ったのです。 |
しかし、まず悩んだのはジャンルです。まずシンセサイザーのコーナーで探しましたが、当時シンセサイザーと言えばYMOか冨田勲くらいなもので、そこでは見つけることができませんでした。TVで聴いた感じではすべて静かな曲だったので、イージーリスニングとか思い付くところを探しましたが見つかりません。諦めて店員に聞いてみようと思い「ロック」のコーナー前を通りすぎようとしたとき、ディスプレイ台(っていうのかな?いま売れているLPとかが目立つようになっているやつ)に「COSMOSのテーマ」と書かれた帯のついたLPがあるではないですか!そしてその前に棚には「ヴァンゲリス」のコーナーが・・・。 |
「えー?、これがなんでロックなんだ?」そう思いながらヴァンゲリスのコーナーを見ると、思った以上に多くのアルバムがありました。無知な私は「ああ、この人って結構有名なんだ」(笑)などと感じたものです。 |
あの「ピアノで静かに始まるあの曲が・・・」とイメージしながらレコードの針を落とすと、聞こえてきたのは民族音楽のようなヘンな曲。「ええ!LP間違えた?」とまじめに思ったほどです。あのCOSMOSで使われていた曲とはあまりにかけ離れています。音色はシンセサイザーというよりパーカッション系の楽器が多く、そして混成合唱が入ったりします。かといってクラシックというにはあまりにリズミック。それにドラムでビートを刻んで確かにロックだという部分もあります。 |
LP片面に1、2曲しかないポピュラー音楽としては妙に長い(当時プログレとか知らなかった)し、まるでクラシックの交響曲のように楽章があるし、非常に不思議でした。でもやっぱりロックというには無理があると思いましたが、かといって他に思い付くジャンルがありません(笑)。 |
天国と地獄パート1の第2楽章になるとピアノが活躍しだし、合唱とともにだんだんとリズムに乗せられていきます。ピアノコンチェルトと合唱つき管弦楽が混ざったような感じでしょうか。 |
そして、だんだんと音楽は盛り上がり、壮大な部分の後、すうっとピアノの静かなフレーズが・・・・。そう、あのCOSMOSのテーマの曲です。この瞬間すべてを悟ったような衝撃を受けました。 |
「こんな、こんな凄い曲がこの世にあったなんて・・・。」 |